浮世絵ミュージアム
木更津市は街なかに、「浮世絵壁画」や「浮世絵パネル」を作成・展示したり、松井天山が描いた鳥瞰図や昔の写真により、当時の木更津の様子を紹介する「鳥瞰図パネル」を作成・展示することにより、「まち歩き」の促進を目指しています。
イオンモール木更津館内にもゴッホやモネなどの海外の画家に大きな影響を与えた「歌川広重(うたがわひろしげ)」の作品や、木更津が舞台となった歌舞伎「与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)」の登場人物である「お富・与三郎・こうもり安」を題材として扱った作品等、貴重な作品を展示しております。
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三代目歌川豊国作
「こうもり安」「切られ与三」「横ぐしおとみ」(3枚続)
展示方法:パネル(イオンモール木更津が平成26年度に制作)
大きさ:パネル(縦 約1.7m、横 約1.8m)
解説:与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)
三代目歌川豊国(歌川国貞)は、江戸時代中期から末期にかけて活躍した浮世絵師です。
国貞は、女性の美を表現した美人画の作者として一般に知られていますが、この「与話情浮名横櫛」や「八幡祭小望月賑(はちまんまつりよみやのにぎわい)」など、歌舞伎役者を描いた浮世絵も数多く残しています。
このような続き絵は、1枚でもひとつの作品として楽しめますが、複数枚を組み合わせることでよりワイドな絵を鑑賞することができます。 -
歌川広重作
「冨士三十六景 上総鹿埜山」
展示方法:パネル(イオンモール木更津が平成26年度に制作)
大きさ:パネル(縦 約78cm、横 約100cm)
解説:歌川広重は天保15年(1844年)、鹿埜山(現在の鹿野山)に参詣するため、江戸橋(日本橋)から木更津船に乗って木更津を訪れました。
現在、鹿野山は、参拝客のみならず、豊かな自然環境を活かした牧場やゴルフ場などが立地するリゾート地として、年間を通じて多くの観光客が訪れます。 -
歌川広重作
「冨士三十六景 上総黒戸の浦」
展示方法:パネル(イオンモール木更津が平成26年度に制作)
大きさ:パネル(縦 約78cm、横 約5cm)
解説:黒戸の浦(小櫃川河口) 江戸湾(東京湾)に臨む上総国葛間村、葛間新田村は、小櫃川の河口に位置し、漁業や五大力船の運航を生業(なりわい)としていました。
広重は天保15(1844)年3 月24 日に「久津間(くずま)道」を通行し、海辺の見晴らしが良いことを述べている。本図は小櫃川河口付近からの風景と考えられます。
この小櫃川河口の干潟は、今や東京湾に残された唯一の自然干潟として多くの貝、魚、カニなどが生息し、干潟の環境に適応した珍しい動植物の宝庫ともなっており、四季を通じてたくさんの渡り鳥が飛来します。 -
定方塊石作
「富士見六景 木更津海岸」
展示方法:パネル(イオンモール木更津が平成26年度に制作)
大きさ:パネル(縦 約1.2m、横 約1.5m)
解説:船着場 明治時代に海上を東京と結ぶ定期航路が結ばれ、東京の乗降場は霊岸島越前畑、木更津側は南片町地先が繋船場だったとされています。
当時は外輪の旧式蒸気船が運航しており、南片町と仲片町との間の道路は「蒸気河岸通り」といわれるようになりました。
蒸気船が就航した当時は木更津の海が遠浅であったため、蒸気船は沖に停泊し、乗船客は艀舟(はしけぶね)に乗り移されました。潮が満ちている時(満潮時)には、五大力船などが利用していた澪筋を通って海岸まで横付けすることができましたが、潮が引いた時(干潮時)には艀舟さえも使えなくなり、乗船客はやむなくそこから人力車(海中人力車)に乗り移るか、裸足になって浅瀬や干潟を渡るしかなかったといわれています。 -
三代目歌川豊国(うたがわ とよくに)作
「五節句之内 弥生 与三郎 お富」
展示方法:パネル(イオンモール木更津が平成26年度に制作)
大きさ:パネル(縦 約78cm、横 約50cm)
解説:
しがねぇ恋の情けが仇
命の綱の切れたのを
どう取り留めてか木更津から・・・(中略)
死んだと思ったお富たぁ
お釈迦さまでも気がつくめぇ
の名セリフで有名な、歌舞伎「与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)」
木更津を舞台にしたこの名狂言は、長く日本人に親しまれ、木更津の名を全国に広めました。 -
歌川広重(うたがわ ひろしげ)作
「不二(ふじ)三十六景 上総 木更津 海上」
展示方法:パネル(イオンモール木更津が平成26年度に制作)
大きさ:パネル(縦 約78cm、横 約100cm)
解説:ここに描かれている船は、木更津と江戸とを結び、多くの物資を運んだ「木更津船」
当時の木更津は、江戸の文人・文化・物品が流入する「みなとまち」として大いに栄えており、歌川広重も江戸からの「木更津船」による船旅で、二度ほど木更津地方を訪れております。
この旅行の成果として描かれたのが、「不二(ふじ)三十六景・上総木更津海上」であり、他に「山海見立相撲・上総木更津」という作品も残っています。
木更津甚句のはやし言葉「ヤッサイモッサイ」は、木更津船の船頭の威勢の良いかけ声から取ったものとも言われております。このはやし言葉が元になって、毎年8月14日に行われる「やっさいもっさい踊り」が誕生。木更津の夏の名物行事も、ルーツをたどれば「木更津船」に行き着くという訳です。 -
木更津町鳥瞰図全図
展示方法:パネル(イオンモール木更津が平成26年度に制作)
大きさ:パネル(縦 約1.7m、横 約1.8m)